美人が歳を取った時、イケメンが普通のおっさんのようになった時、若かったアイドルが相応の年令になった時、顔のシワや額の後退・・・人間である以上防ぐことはできないこの現象を、芸能人やアイドルに対してネット上では「劣化」とよく言われる。
正確に言うと「老化」である
加齢は生物の宿命であり終焉である。ソレが故に人は老化に対し恐怖し、足掻き、背を向けようとする。若さは正義であり、価値の高いものである。資産や能力が同程度の人間なら、若いほうがいいに決まっている。
なぜ「劣化」と表現するのか
こういった表現をする者にとっての「劣化した」と表現する対象は永遠に時間の止まった、大切な思い出なのであろう。
好きだったアイドル、憧れていた芸能人、その時輝いていた「商品」に対しての幻想が、時間停止しているのである。憧れていた、美しいと思っていた対象が時間を経て、美しい思い出をぶち壊した時、人は「劣化」という表現を使用する。
「劣化」という表現は間違いではない
老化することによって当時以上の商品価値を提供できなかったのだから、劣化という表現は間違ってはいない。老化に合わせ、異なる商品価値を生み出した場合、この表現は使われないからだ。
新しい商品価値を提供できないのでなければ、当時の美しい記憶をぶち壊さないためにも世にでるべきではない。「劣化」と言われたくなければ。